Protocol/IPv6

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アドレス表記 †

• 128 bit
• 16 bit ごとにコロンで区切り、16進数で表記
• 同一アドレスでも複数の表記が可能であるため、システム毎に統一することが望ましい

• 0000 のブロックは 0 に省略できる (:0000: → :0:)
• 0 で始まるブロックは頭の 0 を省略できる (:00FF: → :FF:)
• 0000 のブロックが連続する場合は、1 ヶ所だけ :: に省略できる (:0000:0000: → :::)

• サブネット マスクは使わず、プレフィックス長で表現する
• アドレスが潤沢なため、プレフィックス長は /64 で統一する

ヘッダ †

• Version (4 bit)
  • IPv4 と同じ
• Traffic Class (8 bit)
  • IPv4 の ToS [Type of Service] と同じ
• Flow Label (20 bit)
  • 実用化されていない
• Payload Length (16 bit)
  • ペイロード長
  • IPv6 ではヘッダ長は含まない
• Next Header (8 bit)
  • ヘッダの後に続く情報の種類を示す
  • IPv4 の Protocol Type 同様、上位層のプロトコルを指定する場合と、拡張ヘッダを指定する場合がある
  • 拡張ヘッダ指定した場合、IPv6 ヘッダの後に続きのヘッダが付与される
• Hop Limit (8 bit)
  • IPv4 の TTL と同じ
• Source IP Address (128 bit)
  • 送信元 IP アドレス
• Destination IP Address (128 bit)
  • 宛先 IP アドレス

拡張ヘッダ [Extension Header] †

• Hop by Hop Option Header
• Routing Header
• Fragment Header
• Destination Option Header
• AH [Authentication Header]
• ESP [Encapsulated Security Payload]
• No Next Header

廃止されたヘッダ †

• IPv4 から下記のヘッダが廃止された
• 全てルータの負荷軽減に役立っている

• ヘッダ長 (4 bit)
  • IPv6 のヘッダは 40 byte の固定長なので不要
• 識別子 (16 bit)
• フラグ (3 bit)
• オフセット (13 bit)
  • IPv6 では中継ルータでのフラグメントは許可されていないので不要
• ヘッダ チェックサム (16 bit)
  • IPv6 ではチェックサム計算は上位層のみで行う

アドレスの種類 †

ユニキャスト アドレス †

グローバル ユニキャスト アドレス †

• IPv4 のグローバル アドレスに相当

• Global Routing Prefix (48 bit)
  • レジストリ、ISP から割り当てられる
  • 先頭 3 bit は 001 固定
• Subnet ID (16 bit)
  • サイト内でユニークなアドレスを自由に設定できる
  • サブネットに使用する
• Interface ID (64 bit)

sTLA アドレス †

• sTLA [sub Top Level Aggregation] 単位で ISP に割り当てられる

6to4 アドレス †

• IPv6 over IPv4 トンネリングの 6to4 で使用する
• IPv4 グローバル アドレスを含むため、申請なしで利用可能

• Prefix
  • 2002 固定
• IPv4 Address
  • IPv4 のグローバル アドレス
• SLA ID
• Interface ID

pTLA アドレス †

• 非商用実験プロジェクトで配布されていたアドレス
• pTLA [pseudo TLA] を用いるため 2006/06/06 で使用終了

サイト ローカル アドレス †

• IPv4 のプライベート アドレスに相当
• ISP から割り当てられた上位 48 bit と差し替えると GUA として使用できる
• 普及しないまま廃止された

• Prefix (10 bit)
  • 1111 1110 11 で固定
• 0 (38 bit)
  • 0 固定
• Subnet ID (16 bit)
• Interface ID (48 bit)

ユニーク ローカル アドレス †

• IPv4 のプライベート アドレスにあたる
• インターネットへのルーティングは禁止されている

• Prefix (7 bit)
  • 1111 110 で固定
• L-bit (1 bit)
  • 0 は IANA で予約
  • 1 しか使えないので、実質的には FD00::/8 となる
• Global ID (40 bit)
  • 自由に設定可能だが、乱数の使用が望ましい
    → 企業合併時のアドレスを重複を防ぐ
• Subnet ID (16 bit)
  • サイト内でユニークなアドレスを自由に設定できる
  • サブネットに使用する
• Interface ID (64 bit)

リンク ローカル アドレス †

• インターフェースに自動で設定されるアドレス
• 単一リンク内でユニークなアドレス (ルーティングはできない)

• Prefix (10 bit)
  • 1111 1110 10 で固定
• 0 (54 bit)
  • 0 固定
• Interface ID (64 bit)

特殊アドレス †

• 未指定アドレス
  • 0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000/128
  • アドレスが付与されていない事を示す
• ループバック アドレス
  • 0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0001/128
  • IPv4 ではクラス A だが、IPv6 は 1 つ
• ドキュメント用アドレス
  • 2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0000/32
  • ドキュメント作成時に使用する

マルチキャスト アドレス †

• IPv6 ではブロードキャストアドレスは廃止、マルチキャストで代用する

• Prefix (8 bit)
  • 1111 1111 で固定
• Flag (4 bit)
  • マルチキャスト パケットの種類を指定
• Scope (4 bit)
  • マルチキャスト パケットの到達範囲を指定

    Scope	名称	説明
    1	インターフェース ローカル スコープ	ノード内
    2	リンク ローカル スコープ	リンク内、IPv4 のブロードキャストの代替
    3	サブネット ローカル スコープ	サブネット内
    4	管理者ローカル スコープ
    5	サイト ローカル スコープ	拠点内
    8	組織ローカル スコープ	組織内、企業内
    E	グローバル スコープ	インターネット全体

• Group ID (112 bit)
  • 自由に設定可能

• アドレスの例

  範囲	対象	~ 16bit	~ 32bit	~ 48bit	~ 64bit	~ 80bit	~ 96bit	~ 112bit	~ 128bit
  同一ノードの	全ノード	FF01	0000	0000	0000	0000	0000	0000	0001
  	全ルータ	FF01	0000	0000	0000	0000	0000	0000	0002
  同一リンクの	全ノード	FF02	0000	0000	0000	0000	0000	0000	0001
  	全ルータ	FF02	0000	0000	0000	0000	0000	0000	0002
  	全 OSPF ルータ	FF02	0000	0000	0000	0000	0000	0000	0005
  	全 OSPF DR	FF02	0000	0000	0000	0000	0000	0000	0006
  同一サイトの	全ルータ	FF05	0000	0000	0000	0000	0000	0000	0002
  	全 DHCP サーバ	FF05	0000	0000	0000	0000	0000	0001	0003
  インターフェース ID の下位 24 bit が xx:xxxx のノード (ソリシテッド ノード マルチキャスト アドレス)		FF05	0000	0000	0000	0000	0001	FFxx	xxxx

エニーキャスト アドレス †

そこに属しているノードの中で、ネットワーク上で一番近いノードのどれか一つのみに配送される

リンク ローカル アドレス †

サイト ローカル アドレス †

集約可能グローバル アドレス †

アドレス スコープ †

• 到達範囲に応じて分類される

リンク ローカル スコープ †

サイト ローカル スコープ †

• IPv4 のプライベート IP アドレスに相当
• 廃止

ユニーク ローカル IPv6 ユニキャスト アドレス (ULA) †

グローバル スコープ †

• IPv4 のグローバル IP アドレスに相当

IPv4 からの移行 †

デュアル スタック †

• IPv4、IPv6 を両方設定し、両方のパケットをルーティングする

トンネリング †

• 2 つの離れた場所にある IPv6 ネットワークを接続する
• IPv4 ネットワーク上で、トンネリングを行う

6to4 †

• ホスト同士、ホスト-ルータのトンネリングに使用
• IPv4 グローバル上で利用 (プライベートは不可)
• IPv4/IPv6 の境界にデュアル スタックの 6to4 ルータが必要
• NAT する場合の動作保証はない

ISATAP [Intra-Site Automatic Tunnel Addressing Protocol] †

• IPv4 プライベート上でも利用可能
• NAT する場合の動作保証はない

Teredo †

NAT 拡張 †

マルチキャスト †

MLD [Multicast Listener Discovery] †

MLD Snooping †

その他 †

EUI-64 †

• 48 bit の MAC アドレス (EUI-48) を元に、64 bit のインターフェース ID を生成する規格

1. MAC アドレスを xxxx:xxxx:xxxx とする
2. 間に拡張ビット FFFE を挿入し 64 bit にする (xxxx:xxFF:FExx:xxxx)
3. 先頭から 7 bit 目を反転させる
   • 7 bit 目は IEEE が割り当てられたものか、独自に割り当てあれれたものかを示す
   • EUI-48 と EUI-64 では意味が逆なので反転させる必要がある

ND [Neighbor Discovery] †

• ICMPv6 を利用した機能の総称

L2 のアドレス解決 †

• IPv4 の ARP に相当する

1. IP アドレスからソリシテッド ノード マルチキャスト アドレスを計算
2. ソリシテッド ノード マルチキャスト アドレス宛てに ICMPv6 Neighbor Solicitation を送信
3. 送信元のユニキャスト アドレス宛てに ICMPv6 Neighbor Advertisement を返信

IP アドレスの自動設定 †

• DHCP の代替

1. MAC アドレスを元にリンク ローカル アドレスを生成
2. DAD [Duplicate Address Detection]
   1. 1 で生成したリンク ローカル アドレス宛てに ICMPv6 Neighbor Solicitation を送信
   2. 返信がなければ重複していない
3. アドレス プレフィックスの取得
   1. FF02::2 (同一リンクの全ルータ) に ICMPv6 Router Solicitation を送信
   2. 隣接ルータが ICMPv6 Router Advertisement でアドレス プレフィックスを返信
4. アドレス プレフィックスと 1 で生成したインターフェース ID でユニキャスト アドレスを決定

リダイレクト †

Path MTU Discovery †

• IPv6 では中継ルータでのパケット分割は禁止されている
• そのため、事前に宛先ノードまでの経路上の最小 MTU (Path MTU) を知る必要がある
• 中継ルータが MTU が大きすぎるためパケットを破棄する場合、ICMPv6 Packet Too Big を返却するため、これを利用して Path MTU を調べる
• ただし、Packet Too Big の応答は必須ではないため実装されていない場合もある
• IPv6 の最小 MTU である 1280 byte で送信すれば問題は発生しない

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