Network/Cisco/Router/Redundancy gateway

#amazon(4844322214)

Proxy ARP †

概要 †

• 他ホストに対する ARP 要求に対して、代理で返信を行う機能
• 一般的には、サブネットマスクが認識できない古いホストが通信できるようにするために使用される
• ゲートウェイの冗長化にも利用可能
  • ネットワーク上に、Proxy ARP を設定したルータを複数台設置する
  • デフォルト ゲートウェイを設定していないホストは、他ホスト宛のパケット送信時に ARP 要求を行う (ルーティング先がないため)
  • ルータは、代理で ARP 応答を行う
  • 応答を受け取ったホストは、他ホスト宛のパケットをルータの MAC アドレスに送信する
  • ルータは自らのルーティング テーブルに従い、パケットを配送する
  • 1 台のルータで障害があった場合でも、他のルータが ARP 応答するため冗長化が可能
  • ただし、ホストに ARP 情報がキャッシュされるため、Expire するまではゲートウェイが切り替わらない

設定 †

• デフォルトで有効

  rt(config)# interface type mod/num
  rt(config-if)# ip proxy-arp
  

IRDP [ICMP Router Discovery Protocol] †

概要 †

• ICMP の拡張機能 (RFC1256)
• IRDP が有効になっているルータは IRDP アドバタイズメントを行う
• ホストはこれを受信し、ゲートウェイを認識する

設定 †

1. I/F の選択

   rt(config)# interface type mod/num
   

2. IRDP の有効化

   rt(config-if)# ip irdp
   

3. アドバタイズの送信方法

   rt(config-if)# ip irdp multicast
   

   • multicast
     • アドバタイズをマルチキャストで行う (デフォルトはブロードキャスト)
4. ホールド タイマ

   rt(config-if)# ip irdp holdtime hold-time
   

   • hold-time
     • デフォルトは最大アドバタイズ間隔の 3 倍
5. 最大アドバタイズ間隔

   rt(config-if)# ip irdp maxadvertinterval max-time
   

   • max-time
     • 0~1800 秒 (デフォルトは 600 秒)
     • 0 だと要求があった場合のみ送信
6. 最小アドバタイズ間隔

   rt(config-if)# ip irdp minadvertinterval min-time
   

   • min-time
     • 1~1800 秒 (デフォルトは 450 秒)
7. 優先度

   rt(config-if)# ip irdp preference pref
   

   • pref
     • 大きいほうが優先される (デフォルトは 0)
8. プロキシ アドバタイズ?

   rt(config-if)# ip irdp address addr [pref]
   

   • addr
     • 謎

確認 †

rt# show ip irdp

HSRPv1 [Hot Standby Router Protocol Version 1] †

概要 †

• ゲートウェイの冗長化を行なうための Cisco 独自プロトコル (RFC 2281)
• 複数のルータをグルーピングし、1 番優先度が高いルータがアクティブとなり仮想 MAC アドレス・IP アドレスを持つ
  • 仮想 MAC アドレスは 0000.0c07.ac** (**は HSRP ID)
  • 優先度が同じ場合、IP アドレスが大きい方が優先される
• アクティブ ルータに障害が発生した場合は、スタンバイ ルータが仮想 IP アドレスを引き継ぐ
• ルータ間の通信は、マルチキャスト アドレス (224.0.0.2 全ルータ) を宛先とした 1985/udp パケットで行われる
• 同一セグメントで複数の HSRP プロセスを動かすことを MHSRP [Multiple HSRP] という

タイマ †

ステータス †

• Initial
  • 初期状態
  • HSRP 設定直後の状態
• Learning
  • 仮想 IP アドレスが設定されていない状態
• Listening
  • Hello を受信できる状態
  • 3 台以上のルータが存在する環境で、優先度が 3 番目以下の状態
  • Hello は送信しない
• Speaking
  • アクティブ、スタンバイに選出されるため、Hello を送信している状態
• Standby
  • スタンバイ ルータになっている状態
  • 同一 HSRP グループに 1 台しか存在しない
  • 定期的に Hello を送信する
• Active
  • アクティブ ルータになっている状態
  • 同一 HSRP グループに 1 台しか存在しない
  • 定期的に Hello を送信する

設定 †

                   eth0    eth1
                 +---[Router1]---+
                 |   2       2   |
                 |               |
       [Host1]---+  [1]     [1]  +---[Host2]
             4   |               |   4
                 |  eth0   eth1  |
                 +---[Router2]---+
192.168.0.0/24       3       3       192.168.1.0/24

HSRP の有効化 †

rt(config-if)# standby hsrp_id ip virtual_ip_addr

• hsrp_id
  • HSRP のグループ ID
  • 0~255 で設定
  • この ID をキーにグルーピングするため、同一ネットワークで一意である必要がある
• virtual_ip_addr
  • 仮想 IP アドレス

ex)

rt1(config-if)# standby 1 ip 192.168.0.1

rt2(config-if)# standby 1 ip 192.168.0.1

優先度 †

rt(config-if)# standby hsrp_id priority priority

• priority
  • 優先度
  • 0~255 (デフォルトは 100)
  • 同じ優先度の場合、実 IP アドレスが大きい方が優先される

ex)

rt1(config-if)# standby 1 priority 105

プリエンプト †

rt(config-if)# standby hsrp_id preempt

• preempt
  • 優先度に応じてダイナミックにステータスを変化させる
  • HSRP 起動時に、Coup メッセージを送信する

ex)

rt1(config-if)# standby 1 preempt

rt2(config-if)# standby 1 preempt

I/F トラッキング †

rt(config-if)# standby hsrp_id track interface [priority_decrement]

• interface
  • トラック (追跡) するインターフェース
  • 指定したインターフェースがダウンした場合に、優先度を下げる
  • プリエンプトが有効になっていないと意味がない
• priority_decrement
  • 優先度を下げる値
  • 1~255 で設定 (デフォルトは 10)

ex)

rt1(config)# int Fa0/0
rt1(config-if)# standby 1 track Fa0/1

認証 †

rt(config-if)# standby hsrp_id authentication string

• string
  • 認証するためのキー
  • これが一致した場合にのみ、グルーピングを行う

タイマ †

rt(config-if)# standby hsrp_id timers [msec] hellotime [msec] holdtime

• msec
  • タイマをミリ秒で指定する (デフォルトは秒)
• hellotime
  • 1~254 秒 (デフォルトは 3 秒)
  • msec 指定時は 15~999 ミリ秒
• holdtime
  • 2~255 秒 (デフォルトは 10 秒)
  • msec 指定時は 50~3,000 ミリ秒
  • Hello の 3 倍以上を推奨

確認 †

rt0# show standby brief 
                     P indicates configured to preempt.
                     |
Interface   Grp Prio P State    Active          Standby         Virtual IP
Fa0/1       0   105  P Active   local           192.168.1.3     192.168.1.1

rt1# show standby brief 
                     P indicates configured to preempt.
                     |
Interface   Grp Prio P State    Active          Standby         Virtual IP
Fa0/1       0   100  P Standby  192.168.1.2     local           192.168.1.1

HSRPv2 [Hot Standby Routing Protocol Version 2] †

概要 †

• HSRPv1 の拡張規格

• HSRP ID
  • 範囲が 0~4,095に
  • VLAN ID と一致させることで、管理が楽になる
• 仮想 MAC アドレス
  • 0000.0C9F.F***
• Hello の宛先
  • 224.0.0.102 (全 HSRP ルータ) に変更
• IPv6 のサポート

設定 †

1. I/F の選択

   rt(config)# interface type mod/num
   

2. バージョン宣言

   rt(config-if)# standby version 2
   

3. その他は HSRPv1 と同じ

VRRP [Virtual Router Redundancy Protocol] †

概要 †

• ゲートウェイの冗長化を行なうためのプロトコル
• Cisco 独自の HSRP を元に、RFC 化したもの
• 複数のルータをグルーピングし、1 番優先度が高いルータがアクティブとなり仮想 MAC アドレス・IP アドレスを持つ
  • 仮想 MAC アドレスは 0000.5e00.01** (**は VRRP ID)
  • 優先度が同じ場合、IP アドレスが大きい方が優先される
• マスタ ルータに障害が発生した場合は、バックアップ ルータが仮想 IP アドレスを引き継ぐ
• ルータ間の通信は、マルチキャスト アドレス (224.0.0.18) を宛先とした 112/ip (TTL 255) パケットで行われる
• 物理 I/F の IP アドレスを仮想 IP アドレスにすることもできる
  • 物理、仮想 IP アドレスが一致した場合、優先度が自動で 255 になる

タイマ †

ステータス †

• Backup
  • バックアップ ルータになっている状態
  • 同一 VRRP グループに 3 台以上のルータが存在する場合、優先度が 2 番目以下のルータはこの状態になる
• Master
  • アクティブ ルータになっている状態
  • 同一 VRRP グループに 1 台しか存在しない

設定 †

VRRP の有効化 †

rt(config-if)# vrrp vrrp_id ip virtual_ip_addr

• vrrp_id
  • VRRP のグループ ID
  • 1~255 で設定
  • この ID をキーにグルーピングするため、同一ネットワークで一意である必要がある
• virtual_ip_addr
  • 仮想 IP アドレス

優先度 †

rt(config-if)# vrrp vrrp_id priority priority

• priority
  • 優先度
  • 0~255 (デフォルトは 100)
  • 同じ優先度の場合、実 IP アドレスが大きい方が優先される

プリエンプト †

rt(config-if)# vrrp vrrp_id preempt

• preempt
  • 優先度に応じてダイナミックにステータスを変化させる
  • デフォルトで有効

I/F トラッキング †

1. 対象インターフェースの指定

   rt(config-if)# track num interface type mod/num option
   

   • num
     • 識別番号
     • 1~500
   • type mod/num
     • トラック (追跡) するインターフェース
     • 指定したインターフェースがダウンした場合に、優先度を下げる
     • プリエンプトが有効になっていないと意味がない
   • option
     • line-protocol …
     • ip routing …
2. トラッキング設定

   rt(config-if)# vrrp vrrp_id track num [decrement priority_decrement]
   

   • priority_decrement
     • 優先度を下げる値
     • 1~255 で設定 (デフォルトは 10)

認証 †

rt(config-if)# vrrp vrrp_id authentication [md5|text] key

タイマ †

rt(config-if)# vrrp vrrp_id timers advertise [msec] time

• msec
  • タイマをミリ秒で指定する (デフォルトは秒)
• time
  • Advertisement Interval
  • 1~255 秒 (デフォルトは 1 秒)
  • msec 指定時は 50~999 ミリ秒
  • Master Down Interval は Advertisement Interval の 3 倍

確認 †

GLBP [Gateway Load Balancing Protocol] †

概要 †

• ゲートウェイを冗長化するとともに、ロード バランシングを可能にする Cisco 独自規格
• 複数のルータをグルーピングし、それぞれが異なる仮想 MAC アドレスを持つ
  • 仮想 MAC アドレスは 0007.b4xx.xxyy (xx は GLBP ID、yy は AVF 番号)
• 仮想 IP アドレスに対する ARP 応答を、異なる MAC アドレスで行うことで、ロード バランシングを行う
• ルータ間の通信は、マルチキャスト アドレス (224.0.0.102) を宛先とした 3222/udp パケットで行われる

タイマ †

ステータス †

• AVG [Active Virtual Gateway]
  • AVF への MAC アドレス割り当て、仮想 IP アドレスの ARP 応答を行うルータ
  • AVF の機能も併せ持つ
  • 同一 GLBP グループに 1 台しか存在しない
• SVG [Standby Virtual Gateway]
  • 2 番目にプライオリティが高いルータ
  • AVG がダウンした場合に、AVG になり機能を引き継ぐ
  • 同一 GLBP グループに 1 台しか存在しない
• AVF [Active Virtual Forwarder]
  • GLBP グループに属するルータ
  • 仮想 MAC アドレスを 1 つ持ち、トラフィックの転送を行う
  • AVF がダウンした場合は、他のルータが仮想 MAC アドレスを引き継ぐ
  • 同一 GLBP グループに 4 台まで存在する

設定 †

GLBP の有効化 †

rt(config-if)# glbp glbp-id ip [virtual-ip-addr [secondary]]

• glbp-id
  • GLBP のグループ ID
  • 0~1,023 で設定
  • この ID をキーにグルーピングするため、同一ネットワークで一意である必要がある
• virtual-ip-addr
  • 仮想 IP アドレス
  • AVG、SVG にならないルータは省略可能 (AVG から学習する)

優先度 †

rt(config-if)# glbp glbp-id priority priority

プリエンプト †

rt(config-if)# glbp glbp-id preempt [delay time]

I/F トラッキング †

• Priority に対するトラッキングはできない
• Weight に対するトラッキングは可能

rt(config-if)# 

認証 †

rt(config-if)# glbp glbp-id authentication text string

ロード バランシング方式 †

rt(config-if)# glbp group-id load-balancing type

• type
  • round-robin … 順番に仮想 MAC アドレスを応答する (デフォルト)
  • weighted … ウェイトに基づき、仮想 MAC アドレスを応答する
  • host-dependent … ホストごとに静的に仮想 MAC アドレスを応答する?

確認 †

比較表 †

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